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人力飛行機→フライトシム→RC飛行機→セキセイインコ飼育→上級滑空機ライセンス取得という空物好きです。
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訂正です。


下記の記事で、単位スパン当たりの翼面積を計算する式で間違いがありましたので元記事を修正しました。

2段テーパー翼の平均空力翼弦位置(2)
http://soramono.blog.shinobi.jp/Entry/25/

今製作中のKa-8b soloのMACですが、テーパー比が変化する場所、テーパー比が同一であるため以前作成したJuniorと単位スパン当たりの位置に関しては同じになるはずです。
でもまあ、一応確認だけしてブログのネタにしようと思っていました。。。

テーパー比を算出する上での翼弦長の拾いだしは、図面上から定規で測るので多少の誤差はでると思いましたが、いざ計算式で計算すると全く値が違う!

しかもJuniorの寸法で計算してみても、過去の計算値と合わない!
確認していくと面積を求める式で得た値に、片翼スパンと翼根翼弦長を掛けても翼面積が全然合わない事に気が付きました。

当時の計算メモを見直してもブログ上の式と一緒なのですが、別の方法で計算した結果と+-が逆になっておりました。



この式、ややこしく見えますが、実は台形の面積の公式そのままなのです。
(1+λ)と(λ2+λ1)の部分は2つの台形の(上底+下底)です。
ちなみにYと(1-Y)はそれぞれの高さです。

Excelでグラフを作成するにあたって使った式は合っていましたので、こちらに関しては訂正はありません。
Juniorでの計算結果も間違っていません。

間違っていたのは、上記記事のSwを求める式だけでした。
ごめんなさい。。。



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MACの位置と後退角

テーパー翼の平均空力翼弦(MAC)がある位置ですが、下に示す式(2)で求めることができます。



ここで

b:スパン(翼幅)
λ:テーパー比(=翼端翼弦長÷翼根翼弦長)

です。

つまりMACの位置はスパンとテーパー比のみによって変化するという事で、実は後退角とか前進角は関係ありません。

作図してみました。




スパンとテーパー比が同じ翼であれば、作図上でもMACの位置が同じであることが分かると思います。

↓の記事にMAC位置を簡単に算出できる表を載せていますので、よかったら使ってください。
http://soramono.blog.shinobi.jp/Entry/23/


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楕円翼の平均空力翼弦の位置

平均空力翼弦がある位置ですが、以前の記事で単純なテーパー翼と2段テーパー翼について算出方法を紹介しました。

単純なテーパー翼
http://soramono.blog.shinobi.jp/Entry/23/

2段テーパー翼
http://soramono.blog.shinobi.jp/Entry/27/

今回はスピットファイヤや99艦爆などで採用された楕円翼の平均空力翼弦の位置を求める式を紹介します。



機体の全幅(スパン)をbとすると、その片翼スパンに4/3πを掛けるだけです。

   
つまり楕円翼の平均空力翼弦は片翼スパンの42.4%の場所にあるという事になります。

例えば、全幅900mmの楕円翼があったとすると、片翼スパンは450mmなので
 450×0.424=191mm
つまり、機体の中心線から測って191mmの所に平均空力翼弦がある事になります。
テーパー翼と違って単純ですね。

平均空力翼弦長自体は実際の翼から実測してください。
もちろん計算で求める事は可能ですが、測ってしまったほうが早いですし、重心位置調整作業という観点から考えれば、翼弦長よりその位置の方が重要ですから。





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重心位置とエレベーターの利き具合

ラジコン飛行機の重心位置を調整している時、重心を後方に移動させていくとエレベーターが敏感になって行くという経験があるかと思います。

この現象、ずっと不思議に思っていたのですが、最近学生時代の教科書を読み返していて、もしかしたら「1Gあたりの昇降舵角」に関係しているのではと思いました。

「1Gあたりの昇降舵角」とは何ぞや?ですが、これは「1Gの荷重倍数変化を作り出すのに必要なエレベーターの舵角」です。
降下からの引き起こしや旋回中は、重力(G)が働いて機体重量が増加しています。
因みに60度バンクの定常旋回時では、機体には2Gの重力が掛かっています。

釣り合い水平飛行時(定常状態)は1Gですが、飛行機の運動状態によってこの重力が異なるわけで、定常状態の何倍のGが掛かっているかを「荷重倍数」と言います。

急激な引き起こしなどを行うと、荷重倍数が大きくなり、最悪構造破壊を起こします。
実機では通常運用中に発生させる事ができる荷重倍数が制限されており、制限荷重倍数と呼ばれます。

さて、降下状態から引き起こしをする際は当然エレベーターを引く事になりますが、その際のエレベーター舵角が大きければ当然急激な運動となり荷重倍数が大きくなります。

しかし、このエレベーター操作量によって発生する荷重倍数は、実は重心位置によって異なってきます。
重心位置によっては、小さい舵角で+1Gを発生させられたり、多きな舵角を取らないと+1Gを実現できないという事が起きます。

またしてもややこしい式を出しますが、引き起こしの際の1Gあたりの昇降舵角は次式になります。
(と言うか、なるそうです(笑))


注目すべきはCmα/CLαとltです。
Cmα/CLαは(h-hn)と書き直せるのですが、これは重心後方限界と重心位置の差で、つまり静安定余裕の事です。
ltは重心と尾翼の空力中心(25%MACと考えて良いと思います)です。

Cmα/CLαとltは重心が後退すると値が小さくなり、この式の計算結果の値が小さくなります。
つまり小さい舵角で1Gを実現してしまう訳ですから、ちょっとしたエレベーター操作で大きな荷重倍数の運動が起きてしまいます。
つまりエレベーターが敏感になったと感じるようになります。

もう少し具体的に考えて見ます。
下の表は京商 ゼロ戦EP500の計算例です。
実際に飛ばしている30%MACと説明書記載の重心範囲である35%MACと38%MACの比較です。



τは昇降舵の利きといわれる値で、エレベーター面積と水平尾翼面積の比から求まる値で、参考文献にあるグラフから読み取っています。
また重量ですが質量(kg)ではなく重力加速度が掛かっている事に注意してください。
1Gあたりの昇降舵角の計算結果ですが、上表のオレンジの行になります。
重心が後方に移動すると値が小さくなっていく事が分かると思います。

30%MACを基準に比べると、35%MACは1.18倍、38%MACで1.49倍舵角が敏感になるという結果になりました。
重心が後方に移動した事による安定性の低下に加え、この1Gあたりの昇降舵角が小さくなる相乗効果で、非常に飛ばしづらい状況に陥ってしまうと思われます。

35%MACでも時々激しいピッチングを起こしていたので、38%MACでの飛行はほぼ不可能なのではと思います。


前回考察した安定余裕ですが、入門機などは大きな水平尾翼と十分なテールアームがあるので、静安定余裕は十分あり重心設定範囲が広がりますが、余裕があるからといって重心を後へ下げすぎると、この1Gあたりの昇降舵角の影響が大きくなってくると思いますので、注意が必要かと思います。


※参考文献
航空機力学入門
加藤寛一郎・大屋昭男・柄沢研治 著
東京大学出版会



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重心の後方限界と安定余裕

重心位置は定められた前方限界と後方限界の間に設定することが求められます。

後方限界は機体の形状が決まると自動的に決まってきます。
実は後方限界には幾つかあって、Cmα<0という条件以外に実機では昇降舵を固定した場合とフリー(手放し飛行)にした場合の要求があります。
実機の後方限界はこれらの要求の一番厳しい昇降舵フリーの制限値をとりますが、模型飛行機では昇降舵に関する要求まで考える必要はないと思います。


以下の表は手持ちの機体について調査したものです。
この表の重心後方限界はCmα=0となるポイントを示しています。
また静安定余裕は設定した重心位置と後方限界との差です。

後方限界は主に尾翼の復元力によって前後します。
尾翼面積が大きくなったり、尾翼までの距離が大きくなると復元力が大きくなり、重心後方限界は後へ移動し重心設定範囲に余裕が出てきます。




京商ゼロ戦EP500はマニュアル通りの位置に重心を合わせると35%~38%MACになってしまいます。
重心後方限界を計算すると43.2%なので、静安定余裕は5.2~8.2%しかありません。

購入当初説明書通りに35%MACで飛ばしたのですが、非常に安定度が悪く、ちょっとした事で失速するような姿勢になってしまい、1度落としてしまった事があります。
今は30%MACにして非常に飛ばしやすい機体になりました。
静安定余裕は13.2%に上がっています。

また今は強風モドキに改造してしまった紫電EP400ですが、意外にも雷電より後方限界が前にあり、静安定余裕は他と比べて一番小さかったです。
今思うと、確かに時々フラフラっとした事が何度かあり、一番飛ばしづらい感じがありました。

その後強風モドキへと改造しましたが、表を見ていただくと分かるとおり、重心後方限界が前方へ移動しています。
実は縦の静安定は胴体の容積の影響も受け、胴体が大きくなると不安定側に影響します。
後方限界が前方に移動して38.2%になったのは、フロートの容積を計算に加えた結果です。
フロートは胴体と同じ様な大きさになってしまっているので、縦の静安定への影響は無視できないものになっています。

なので30%MACのままでは、とても不安定で飛ばせません。
静安定余裕も8.2%しかありません。
事実、初飛行の際には3回ほど失速し、もはや帰還は無理という状態に追い込まれてしまいました。

強風モドキの改造記に書いたように、現在は25%MACにしており静安定余裕は13.2%に改善しています。

で、結局改めて統計を取ってみると、静安定余裕が11%以上無いと安定した飛行は難しいと分かりました。
できれば13%以上が望ましいと思います。
その点から見るとFMSのBIG ZEROはマニュアル通りの指定で14%の静安定余裕があるので、十分飛ばし易い機体だということが分かります。


じゃあ、静安定余裕を計算する為に、どうやって重心後方限界を出すの?って話しになりますが、これは式が複雑な上、尾翼位置での主翼吹き下ろしだの、全機揚力係数だの、飛行力学の専門領域になるので一般的ではありません。

なので、大戦機などのスケール機については、重心後方限界はそんなに今回の例とはかけ離れていないと思うので、25~30%MACでいいと思います。
水平尾翼が他と比べて小さめだなぁと感じたら、なるべく前へという事も付け加えておきます。

重心位置はあくまでもMAC基準です。
主翼の付け根ではないので注意してください。
MACがどこにあるのかは、簡単に求める方法をこのブログで紹介していますので、そちらを参考にしていただければと思います。

重心位置と平均空力翼弦
2段テーパー翼の平均空力翼弦位置(3)


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