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人力飛行機→フライトシム→RC飛行機→セキセイインコ飼育→上級滑空機ライセンス取得という空物好きです。
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スケールグライダーのKa-8bは2段テーパー翼です。
サーマル工房のKa-8bジュニアがあるので、それを例にMACの位置を出してみたいと思います。 諸元は上図の通りです。 計算上、翼根翼弦長Crは機体中心線上にあるので、図面上に仮想線を引いて実測しました。 λ1=0.71 λ2=0.41 Y=0.6 なので、片翼面積Sw、各断面一時モーメントG1,G2は以下になります。(導出は前回の記事) Sw=0.737 G1=0.1452 G2=0.1752 よって、MAC位置はy=(G1+G2)/Swなので y=0.435 となり、片翼スパンが1000mmなので 0.435×1000=435mm です。 ですので、この機体のMAC位置は機体中心線から翼端に向かって435mmの所という事になります。 PR 平均空力翼弦(MAC)の位置は、その図形の図心を通る場所にあります。 図心を求めるためには、その図形の断面一時モーメントを面積で割ります。 スパン方向の任意の場所Yでテーパーが切り替わるとします。 このYを境に ・翼根側の断面一時モーメントをG1 ・翼端側の断面一時モーメントをG2 ・この図形の面積をSw とすると、機体中心線から測った図心の位置は以下のようになります。 上図の面積Swは以下の式から求まります。(2014/08/11訂正) ※上記式は間違っていました。すいません。2項目の+-が違ってました。 正しくは下の式です。 ※翼根翼弦長を1、片翼スパンも1として無次元化しているので、上式で求まる値は無次元です。 なので、実際に単位を持った面積を出したい場合はこの値に、実際の翼根翼弦長と片翼スパンを掛ける必要があります。 断面一時モーメントは、微小区間に切り分けた各要素部分の面積とその位置の積を積分したもので、次式で計算できます。 さて、翼根側の台形の断面一時モーメントを求めるため、翼弦分布を求めます。 スパン方向の翼弦の変化は下図のようにc=ay+bというごく普通の1次関数になります。 この関数の傾きは-(1-λ1)/Yで、c切片が1なので次式になります。 同様に翼端部分の台形を考えます。 やはりc=ay+bというごく普通の1次関数になりますので、傾きと切片を求めます。 これでそれぞれの台形部分に関して翼弦分布を表す式ができましたので、これを積分し断面一時モーメントを求めます。 まずは翼根部分の積分です。 次に翼端部分の積分です。 最後にこれらを足して、面積Swで割れば図心の位置が求まります。 計算に必要なパラメーターは、 ・λ1:翼根とテーパー切替部の翼弦長の比 ・λ2:翼根と翼端の翼弦長の比 ・片翼分の面積 の3つです。 これらは図面なり実測なりで簡単に求めることができますので、この3つの数字だけで図心の位置が求まります。 計算結果ですが、最大で0.5までの値になります。 これはテーパーしていない矩形翼(つまり長方形)図心はちょうど片翼幅の中心の50%位置にあることを示しています。 テーパーが付いていくと、図心(MAC)は翼根へ向かって移動していきます。 今回の計算は片翼幅を1として計算しているので、計算結果は割合で出てきます。 なので実際の機体中心からの距離を出すためには方翼幅の寸法(全幅1300mmの機体なら650)を掛けてあげる事になりますので注意してください。 厳密な位置を計算するにはこれらの式を使っていただければいいと思うのですが、式が複雑すぎて面倒くさいため、そのうち計算結果をグラフにしてみようと思います。 ※2013/05/29追記 2段テーパー翼についてMAC位置を特定するグラフを作りました。 「2段テーパー翼の平均空力翼弦位置(3)」 単純なテーパー翼の平均空力翼弦(以下MAC)位置は前回の記事で、簡単に特定できる事を説明しました。
一方セスナもそうですが、グライダー等は途中からテーパーが変わる2段テーパー翼になっていることがあります。 こうなると作図によるMAC位置の特定ができず、重心位置の設定が勘になりがちです。 そこで2段テーパー翼の場合でも、MAC位置を複雑な計算をせずに簡単に特定できるようにしたいと思います。 が、これが結構大変でした。。。 数学の知識がほとんど無いので結局簡潔な表にまとめる事ができず、結局ごちゃごちゃとなってしまいました。。。 最終的には2段テーパーになっているそれぞれの部分のテーパー比と、テーパーが切り替わる位置から前回同様係数をグラフから読み取って、その係数に翼幅の半分をかけるとMAC位置が求まるという方法になります。 このグラフがテーパーが切り替わる位置毎に異なってしまうため、グラフがすごい枚数になってしまいました。 でもまあ、いちいち計算しなくてもグラフから読み取るだけなので多少はましかもしれません。 今回の計算にあたり下図のような翼(片翼分)を考えます。 スパン(翼幅)をbミリメーターとした場合、機体中心線から翼端までの距離はb/2ですが、どんな大きさの翼にも対応させるため、翼端の位置を1(つまり100%)とします。 この翼でテーパーが切り替わる位置が、機体中心線からymミリメーターとした場合、この位置を%で表すためにb/2で割り、この値をYとします。 例えば、翼幅2000mmのグライダーで、テーパーが機体中心から600mmの所で切り替わるとするとYの値は0.6となります。(つまり60%の場所という事) さらに翼根の翼弦の長さを1としここを基準とすると、1つ目のテーパー比はλ1=Cm/Crなので、テーパーが切り替わる位置の翼弦長はテーパー比そのものλ1になります。 また2つ目の部分のテーパー比はλ2=Ct/Crなので、翼端の翼弦長はこれもテーパー比そのものλ2になります。 最後に紹介する係数Yを求めるグラフを使う為には、 ・この2つのテーパー比 ・テーパーが切り替わる位置(Yの値) を図面なり実機から算出してもらう事になります。 ラジコン飛行機を飛ばす際、一番問題になるのが重心位置です。
キットなりARFなり購入して付属する説明書を見ると、多くの場合「翼と胴体の付け根部分の前縁から○○mm」という書き方がされています。 一般的に飛行機の重心位置をいう場合、翼の付け根位置でいう事は無く、必ず平均空力翼弦(MAC)の○○%という指定の仕方をします。 翼の平面形はテーパーしていたり、後退角が付いていたりと翼幅方向に一定では無く、揚力分布も一定ではありません。 そこでその翼を代表する場所を決めて、そこに翼に働く空気力が働くと考えます。 重心位置もこの代表点がある翼弦上に設定します。 これが平均空力翼弦で、略してMACとも呼びます。 平均空力翼弦は単純なテーパー翼であれば、CADなどで作図することによって簡単にその場所を特定できます。 下図はFMSのBIG ZeroでMACを作図で求めたものです。(2015/10/29:図を手直ししました。) 1.翼端と翼根の中心を結ぶ 2.翼端に翼根の長さを足す 3.翼根に翼端の長さを足す 4.「2.」「3.」の端同士を結ぶ 5.「1.」と「4.」の線の交点がMACがある位置 という手順で作図します。 これも面倒だ!というなら次の方法はどうでしょうか? まず、テーパー比を出します。 テーパー比は翼端の長さ÷翼根の長さです。 次に下表を見て、テーパー比に対応する係数をメモします。 -------------------------- ※2013/05/31追記 デルタ翼はテーパーは0で、矩形翼は1になります。 なのでデルタ翼のMACは機体中心線から翼端に向かって1/3の所になります。 矩形翼はテーパーしていないのでどこでも同じですが、図芯としては中間点にあります。 -------------------------- 最後にその機体の全幅の半分の長さと係数を掛け算します。 その値が機体の中心線からMACまでの距離となります。 実際に例を挙げてみます。 この翼は翼端長=153mmで翼根長=218mmです。 よってテーパー比は153÷218=0.7です。 先ほどの表でテーパー比0.7に対応する係数は0.471です。 この翼の全幅は1300mmなので、その半分の650と係数を掛けます。 よって650×0.471=306mm。 つまりこの翼の平均空力翼弦は機体中心から図って306mmの位置にあります。 後はこの場所の翼弦長を測れば平均空力翼弦が分かります。 実際に測ってみたところMACは187mmでした。 重心位置は25%~30%MACが適切だと思いますので、このMAC上で前縁から47mm~56mmの間に収まるように重心調整をします。 最後に先ほどのテーパー比と係数の表の根拠ですが、以下のようになっています。 テーパー比はλ(ラムダ)としています。 またSは翼面積。bは全幅を示しています。 MACの位置を算出する式(1)をよく見てみます。 「cydy」の部分はコード長cと微小翼幅dyの積なので微小面積を表し、さらに基準からの距離yのが掛かっているので、この積分自体は翼平面形の断面一次モーメントを計算していることになります。 さらに翼面積Sで割っているので、とどのつまりMACとは図心を通る翼弦という事になります。 単純なテーパー翼であれば、翼弦分布はc=ay+bという一次方程式で表されますので、これを式(1)に代入してごちゃごちゃ積分すると式(2)になります。 式(2)はb/2(つまり全幅の半分)と、(1+2λ)/{3(1+λ)}の積になっていますね。 つまり先ほどの表の係数は(1+2λ)/{3(1+λ)}の部分を計算したものになります。 今回は単純なテーパー翼の場合でしたが、セスナやグライダーなどは2段テーパー翼になっていたりします。 その場合は今回の表は使えません。 ただ、MACは図心なのでテーパーが切り替わる場所を境に単純な台形として分離し、各々の断面一時モーメントを合算し、最後に翼面積で除せば出せるはずです。 そのうち簡単な表にまとめられればなぁと思っています。 ※2013/05/29追記 2段テーパー翼についてMAC位置を特定するグラフを作りました。 「2段テーパー翼の平均空力翼弦位置(3)」 失速と言う現象は、その言葉のイメージとは異なり速度を失うという現象ではありません。
失速は気流と翼との角度(迎角)がある一定以上になると気流が翼面から剥離する現象のことで、速度とは関係なく発生します。 下図は迎角と揚力係数の関係を示したもので、翼断面の形状によって発生させる事が最大揚力係数は決まってしまいます。 迎角と揚力係数は正比例の関係にあるため、最大揚力係数を発生させることができる迎角も自動的に決まってしまいます。 ここで失速が起こる迎角を臨界迎角と言います。 さて、翼の平面形によって失速特性が良くなったり、翼端失速しやすくなったりします。 これは翼から常に出ている渦の影響によるものなのですが、これを視覚的に見るいいソフトがありました。 使い方は翼のサイズを入力するだけなので簡単です。 多段テーパーや多段上反角も入力できるので、コルセアなどの複雑な平面形も計算できます。 また平均空力翼弦(MAC)も算出してくれるので、単純テーパー以外の翼の重心位置を決める際にも非常に有効だと思います。 V-tailes HLGw Ver0.0 三次元翼の揚力分布計算 http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~v-tails/index.html まずは矩形翼。 翼端部分での渦による吹き下ろしの影響が大きく翼端の有効迎角が減少し、翼端の揚力係数が減少します。 その為、翼根部分が一番揚力係数が高くなります。。 よって失速は有効迎角が大きい翼の根元付近から始まるため、穏やかな失速となります。 練習機が矩形翼である大きな理由の1つはここにあります。 テーパー翼。 テーパー比はFMS BIG ZEROと同じ0.42です。 最大揚力係数は翼中央付近なので、失速は翼の中央部から始まります。 適度なテーパー比を持った翼は楕円翼の揚力分布に近くなるため、渦による誘導効力を下げることができます。 失速を起こすと巻き込むように墜落するケースが多いですが、これは必ずしも翼端失速によるものとは限りません。 実際の翼は完全な左右対称ではありませんし、特にラジコンの場合は横滑りも起こしていますので、必ずどちらかの翼が先に失速を起こします。 一度失速を起こすと、揚力低下+抗力増加 → ロール → ロール角速度による更なる迎角増加 → 更に深い失速 → 深いロール →・・・・と、自転を起こしてしまいます。 キツいテーパー翼。 翼端部分の揚力係数が高いため、翼端失速しやすくなります。 デルタ翼ではさらに顕著になります。 楕円翼。 渦による吹き下ろしが均一に発生するため、翼のスパン方向に揚力係数は一定になります。 楕円翼は理論上翼全体が同時に失速します。 また翼端まで揚力係数が高いため、翼端失速を起こしやすいです。 学生時代、この3次元翼の揚力分布を計算するレポートが出されて、Fortranで組んだ記憶があります。 今はもうすっかり忘れてしまいました。 ソースコード取っておけば良かったです。。。 <<前のページ | | プロフィール
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